トランスコスモス 技術研究所

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【徹底解説】未来のEコマースを牽引する「ヘッドレス・コマース」とは

私たちのコマース体験は日々進化しています。多様化するカスタマーとの「タッチポイント」に対して、EC事業者は今何を考えるべきなのか。そのヒントとなる「ヘッドレス・コマース」について説明します

【徹底解説】未来のEコマースを牽引する「ヘッドレス・コマース」とは

09/13/2019

テクノロジーの進化とともに、カスタマーとの「タッチポイント」が増え続けるというのは、Eコマースの事業者の皆様にとって、チャンスでもあり悩ましい問題の一つかもしれません。

 

「〇〇が若者の間で爆発的に流行っているらしいぞ!」

「〇〇とECを連動させることが今後は重要になります!」

「〇〇経由でモノが売れる、と噂になっています!」

 

様々な情報が日々上がっては、消えていきます。

 

 

Eコマース環境の変化と、増え続ける対応範囲  

 

そんな時代において、PC・モバイル対応はもはや当然として、ネイティブアプリ、ウェアラブル、音声デバイス、IoTなど、店舗サイトのUIは、常にユーザーニーズと行動の変化に対して、柔軟に対応することが求められています。

※UI:User Interface(ユーザーインターフェース)

 

一方で、その裏側のシステムはどうでしょうか?

 

具体的には、ECサイトの基幹システムとなるERP、受注管理、フルフィルメント、決済システムなどなど。

長年使いこまれ、様々なシステムとの繋込みがされたバックエンドシステムはそんな簡単にカスタマイズ出来ないのが悩みの種です。

もし新しいサービスに対応するとしても、その都度ECシステム業者に連絡し、カスタマイズが必要となり、お金もリソースもいくらあっても足りません。

そんな経験をされたEC事業者の方も多いのではないでしょうか?

 

そんな時代にこそ知っておきたい、「ヘッドレスコマース」という新しいECサイトのカタチについてご紹介します。

 

 

ヘッドレス・コマースとは。その由来は? 

 

「Head」とはECサイトの「フロントエンド(UI)」を指し、その名の通り、「Headless」とは「頭が無い」状態を指しています。

 

ヘッドレス・コマースとは

「頭」と「身体」が切り離された状態の「ヘッドレス・コマース」構成

 

「頭が無い状態?どういうこと?」

言い換えると、「Headless Commerce(ヘッドレス・コマース)」とは、コマースサイトの「顔」であるフロントエンドと、それを支えるバックエンドを切り離し、それぞれが独立した形で構成されている状態をいうのです。

 

振り返ると、今までのECサイト構成は、フロントエンドとバックエンドが「一枚岩("monolithic"/"couple”)」の状態であるものが主流でした。

 

それに対して、ヘッドレスコマースでは、フロントエンド(プレゼンテーションレイヤー)とバックエンド(オペレーションレイヤー)の機能を「分離・分割(decouple)」します。

 

ヘッドレス・コマースと今までのEC

"couple"ではなく"decouple"なヘッドレス・コマース

 

ストアフロント(=Head)の表示部分にはタッチせず、「デカップル(decouple)」な構成で、管理を行う(Headless)役割として機能するわけです。

それにより、次々に現れる新たな販売経路、チャネル、ユーザーニーズに素早く、柔軟に対応し、コンテンツを配信することが実現可能なのです。

 

ヘッドレスvsトラディショナル旧来のEコマースプラットフォームとヘッドレスコマースの比較例

 

 

ヘッドレスな状態を実現するためのカギ「API」

 

では、ヘッドレス・コマースを実現するうえのカギは何なのでしょうか。

重要となるのが、フロントエンドとバックエンドを繋ぐ役割を果たすの「API」の存在です。

「API」無くしてヘッドレス・コマースは実現しないと言えます。

「Decoupled」な状態である「Headless Commerce」はすなわち「APIファースト」の考え方に基づくアーキテクチャー(構成)だとも言えるのです。

 

ヘッドレス画像-1

「APIファースト」な開発体制が求められる

 

多様化するヘッド部分だけでなく、在庫管理にはA社のシステムを、顧客情報はB社のシステムで、CMSにはC社システム、、、もはや「カオス」化しつつあるバックエンド。

これらも含めて「繋ぐ」存在であるAPIファーストな考え方に対応できるか。そこが重要なカギとなるのです。

 

ヘッドレスコマースのメリット・デメリット  

 

では、そのヘッドレス・コマースアーキテクチャーですが、「何がいいの?」と思う方も多いでしょう。

そもそも実現・導入にあたってのメリット、デメリットが気になる方も多いかと思います。

まず、ヘッドレス・コマースに移行することのメリットは以下が想定できます。

 

・ビジネス要件、マーケット変化に柔軟かつ素早く対応することが出来る

・フロントエンドの自由度が上がり、タッチポイント拡大が期待できる

・フロントとバックエンドの開発が分離し、効率的な開発が可能となる

 

フロントエンドについて、「今後音声検索に対応したい!」「フロントのJavaScriptはAngularを使いたいんだよね!」等、各サイトによって、様々な要件、要望があるかと思います。

そして、従来はその要件に対して「バックエンドが対応しているか」を都度考える必要がありました。

 

しかし、ヘッドレス・コマースでは、その心配は必要ありません。

 

なぜなら、ヘッドレス・アーキテクチャーの場合、データの受け渡し口となる「API」さえ適切に用意してあげれば、連携可能であるといえるためです。

これは柔軟なシステム構築を行いたい場合、非常に有益だと言えるでしょう。

 

また、「効率的な開発」ですが、各コンポーネントやレイヤーにおいて、り取りをする相手側の対応に依存しないため、独立して開発やテストを進めることが可能です。その結果、それぞれが効率的な開発体制を組むことも可能となるります。またスピーディーな開発にも繋がることでしょう。

 

では、一方でデメリットは何でしょうか。例えば以下などが考えられるかもしれません。

 

・より専門的な開発が求められることでの「開発工数の増加」

・特にAPIなど「専門的な知識」が必要

 

ヘッドレス・コマースを実現するうえで、当然その技術的な深い理解が必要とされます。また、システム自体も「APIファースト」の考えに対応していく必要があるため、それに伴った開発工数の増加なども想定されます。

また、そもそも既に現状のオペレーションが成功しているのであれば、その構成を再構築するのには、それだけ時間および費用的な投資が必要になり、意思決定も難しくなるかもしれません。

ですが、常に変化し続けるコマースの未来を見据えると、その変化に柔軟かつスピーディーに対応するシステム構成を取り、常に変化するユーザーニーズに対応できることは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

 

弊社のサービスである「Kisuke」についても、基盤はEコマースプラットフォームのShopifyと連携ながらも、「ヘッド」の部分にLINEチャネルを使ったコマース体験を提供しています。

 

kisuke-banner-2

LINEというチャネルを活用してコマース体験を提供するサービスKisuke

 

 

オムニチャネル(O2O)とヘッドレスコマース 

 

コマースの未来を考えた際に避けられないのが「オムニチャネル」化

 

ユーザーはウェブ上だけでなく、オンライン・オフラインのチャネルを飛び越えてショッピングをします。

実店舗でショールーミングし、欲しい商品をECサイトで購入する。そんな購買行動が当たり前の時代。

チャネルは多様化しながらも、いかに一貫したコマース体験を提供できるかがEC事業者には求めら、オムニチャネルコマースが進めば進むほど、シームレスなショッピング体験が重要となるのです。

その点において、複数のタッチポイントとシームレスに融合するヘッドレスコマース構造は、カスタマーエクスペリエンスを向上させることも可能。オムニチャネルコマースとの相性の良さも期待できます

O2O、OMOの時代において、その基盤としてのヘッドレス・コマースアーキテクチャーは今後ますます注目度が高まるでしょう。

 

 



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